おはようございます!Learny Birds(朝活コミュニティ)の広報担当のももこ(@mmi_1228)です。Learny Birdsは、東京と名古屋で活動する社会人の勉強会コミュニティ。毎週定期的に開催しています。

今回のテーマは「植物分類の系統を辿る〜被子植物編〜」。発表者は小坂さん。「いちごがバラ科だった」ことに驚きを覚え、植物の分類を日頃から実施されているとのこと。今回は、植物学と生物学の観点で分類について教えてもらいます。

 

植物の分類とは?

植物も動物も、同じ分類体系が適用されます。上から順にドメイン、界、門、網、目、科、属、種といった具合。

例えば、ヒトは真核生物、動物界、脊椎動物門、哺乳綱、サル目、ヒト科、ヒト属。ローズマリーは真核生物、植物界、被子植物門、双子葉植物綱、シソ目、シソ科、ローズマリー属。

上記の分類は、特に被子植物において、近年に改変されていました。

 

分類体系の変遷

元々は、被子植物の「科」の分類は、花や葉の見た目を根拠になされていました。近年に遺伝子解析による分類手法が確立され、1998年にAPG体系といわれる分類体系が登場します。APG体系では、葉緑体のDNAを使った解析に基づき、植物分類の基本的な体系がようやく確立したといえます。

分類体系の変遷によって出た影響は、ユリ科の分類にありました。

 

ユリ科がユリ科でなくなった

ユリ科とは、被子植物の中でも単子葉植物に属する科で、例えば、ユリやチューリップなど球根の発達している種が多いです。

ユリ科は、1998年に発表されたAPG体系により大きく再編成されました。元々、寄せ集めの科になっているから複数に分類すべきとの声があり、それがAPG体系によって証明されたといえます。

 

例えば、ユリ目のなかにユリ科、ヒガンバナ科、ススキノキ科などがありましたが、ヒガンバナがヒガンバナ科からネギ科になり、ユリ科だったヤブカンソウがススキノキ科になり、さらにススキノキ科とネギ科は、ユリ目からキジカクシ目といった具合です。

このような再編成により、元々のユリ科は12の科に分類されました。さらに、5の目に跨りました。遺伝子解析によってようやく、植物学の世界で基本体系が確立されました。

 

科ごとの特徴

とはいえ、遺伝子解析での分類と、それ以前の見た目の分類は大きくは変わりません。科ごとの特徴が一層際立ったといえるでしょう。

科ごとの特徴とは、例えばシソ科は香りのするハーブ、キク科はたんぽぽやハルジオンなど中心から放射状に均等に並ぶ花弁、アブラナ科は十字架のように並ぶ4枚の花弁が特徴など。

キク科

アブラナ科

 

見た目で科の分類ができるのはわかりましたが、どうも草と木という見た目の違いが気になります。植物学の世界では、どのように分類されるでしょうか。

 

「ジャックと豆の木」

有名なイギリスの童話に「ジャックと豆の木」があります。

幼い頃、ジャックの父は雲の上から来た大男に食べられるところから話は始まります。母と二人で支え合い、お金を稼いで暮らしていたある日、ジャックは怪しげな男から「魔法の豆」を手に入れます。次の日、その魔法の豆は天高くにそびえる大きな木になり、ジャックはその大木を登っていきます…

登場する豆の木は、天高くそびえる木ですが、豆というと木よりも草のイメージの方が強いのではないでしょうか。

 

草と木は植物学的に同類

結論から申し上げると、草と木は同じ科に分類されます。つまり、葉緑体の遺伝子解析では同類に扱われているということです。

一方、生物学の観点で捉えると、木には樹皮の内側に「形成層」と呼ばれる組織が木質部を作り、成長に伴い肥大化して幹が太くなる仕組みがあります。そうして年輪が作られ、垂直に伸びる土台を持って伸長成長します。

草には形成層がなく、縦にも横にも肥大化しない仕組みとなっています。

 

まとめ

▶︎遺伝子解析の手法により、2000年前後に植物学の基本体系が確立した。
▶︎植物学的分類に、草と木の違いはなされていない。
▶︎科の分類は、花弁や葉や香りに特徴があり、目視で主観的に分類することもできる。

これから桜の季節も近いので、手始めにバラ科の分類を勉強してみるのはいかがでしょう?

カテゴリー: 大手町サクラ

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