おはようございます!Learny Birds(朝活コミュニティ)の広報担当のももこ(@mmi_1228)です。
今回は、毎週月曜日に大手町で活動しているチームの模様をお届けします!今朝のテーマは「エストニアの電子政府とスタートアップのエコシステム」です。『つまらなくない未来』という書籍を参考図書に、発表者の長野さんが解説してくれました。
エストニアってどこ?
エストニアは、フィンランドの南、ロシアの西に位置するバルト三国の一つ。
日本からだと、ドバイ経由で40時間、フィンランド経由で12時間という距離。人口は130万人。面積は4.5万㎢。さいたま市ほどの人口で、小さな国です。
エストニアの歴史
建国は1918年。エストニア共和国として、ロシアから独立を宣言しました。
ドイツとロシアの間に位置することが災いし、その後ドイツとロシアによる占領時代が続きます。1939年、独ソ不可侵条約でロシアがエストニアを占領することが決められ、1941年からドイツによる占領、1944年から再度ロシアによる占領を経て、1991年にようやく念願の独立。
そして、2004年にEU加盟国となります。
エストニアの電子政府
社会主義国から資本主義国への移行、経済的な余裕の少なさという背景から、低予算で行政サービスを提供する必要性が非常に高く、電子政府が誕生しました。
エストニアの電子政府では、下記3つを除いてオンライン上で手続きが完結します。
不動産の売買・結婚・離婚
これら3つは、よく考えて決断するようにという政府側の配慮でしょうか?ちなみにデンマークでは、結婚・離婚はオンライン上でさらっとできちゃうとのこと。夫婦喧嘩は慎重に進めないとですね!
Skypeを生み出した技術者
コミュニケーションアプリとして世界で親しまれているSkypeは、エストニアの技術者によるプロダクト。Skypeが米国企業eBayに2800億円で買収され、2011年にマイクロソフト傘下に入ったことは、エストニア国民にとって夢と希望。
初期ステージに携わっていた100人以上のエストニア人がストックオプションで多額の資産を得て、その資産を次世代のスタートアップに投資する動きがあります。
エストニアンマフィアとエコシステム
Skypeによって多額の資金を得た技術者が起業家としてコミュニティをつくり、スタートアップのエコシステムを形成しています。彼らをエストニアンマフィアと呼ぶ背景には、SkypeがeBayに買収されたことがあります。
eBayのCEOイーロン・マスクは、PayPalマフィアと呼ばれるPayPal創業者のうちの一人。PayPalマフィアに名を連ねるのは、ピーター・ティール、マックス・レフチン、イーロン・マスクなど。彼らはPayPal売却後、有名なSpace XやTeslaをはじめ、ほかにもLinkedIn、Youtube、Yelp、Yammerなど数多くの世界を変えるプロダクトを次々と作り出しています。
その波及はエストニアにも及び、Skypeに続こうとスタートアップが熾烈な争いを繰り広げているに違いありません。
エストニアの課題
エストニアを拠点とする企業を立ち上げることは海外から可能ですが、実際に移住する人々もいます。主に東欧から流入し、逆にエストニアから流出するトレンドもあります。加えて、出生率の低下が顕在化しており、自然な人口減少が見込まれています。
本社をEUやイギリスに移転させる動きもある中で、いかに人材を国に定着させるかが一つの課題です。
まとめ
参加者の方から、エストニアの強みはなにか?という質問が挙がりました。資源が少なく、強みは技術といっても他国に勝るとも言えないのではないか?
筆者が思うエストニアの強みは、今回の朝活のように諸外国から議論の的になるところにあります。国家が低コストで運用される点は、いずれの国にとっても取り入れたい先進事例であることに変わらず、e-Residencyで法人登記が世界のどこからでも可能という仕組みが(銀行口座は現地に行かなければ開設できない)、より一層注目を集めることに成功している。
エストニアは、e-Residencyというオンライン上のコミュニティを世界に浸透させたのちに、そのコミュニティを用いたオンライン国家を作るポテンシャルを持っています。
国の概念を覆す存在として、e-Residencyの活用方法にエストニアの強みが見出されそうです。
1件のコメント
長野 · 2019年3月4日 10:09 AM
まとめありがとうございます!エストニアに行って見たくなりました(笑)